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1917 命をかけた伝令~壮大なピタゴラスイッチかと思いきや

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■私の評価・・・★★★★☆(映像だけでなく心に残るお話だった)

 

予告を見て、「全編をワンカットで撮影した」と聞いた時には

壮大なピタゴラスイッチなの?と驚き呆れました。

しかも公開日はバレンタインデー。(どんだけ必死の告白)

しかし「007 スカイ・フォール」、「スペクター」のサム・メンデス監督作品ということで、

これはもう絶対に観たほうがいい映画だ!と思って仕事が終わって夜の上映で観てきました。

平日の最終上映とあって観客は2人組で行った私たちと、1人で来てる人の3人。

コロナウイルスが怖いので今の時期の映画館って躊躇しましたが、これなら安心。(経営的には不安)

 

<映画の感想>

※一部ネタバレ入ります

すごく一般的な表現になりますが、ひと言でいうと

圧倒的臨場感!

それって「迫力の画面」とか「真に迫る映像」とかいう時に使われる表現だと思いますが、

私の感想としての意味は違います。

映像に体感が伴ってたんです!2D字幕映画なのに。

 

全編ワンカットということでハンディカムを使って撮影しているようですが、

私の場合これが若干の映像酔いを起こしまして・・・

しかもちょうど主人公が「これはキッツイ!」という状況になってくるあたりからどうも胃のあたりに吐き気がしてきます。うっすらですが。

 

3D酔いみたいにハッキリ自覚できればわかりやすいのですが、耐えられるクオリティに仕上げてあるのか?

シーンを過ぎれば比較的気持ち悪さが薄くなったり、平気になったりしたので、私はかなり最後のほうになるまで自分が映像酔いしていることに気がつかず、

 

映画観る前に食べたアレが悪かったのかな?と、鑑賞中に食あたりを気にしたくらい。

 

その映像酔いから起こるうっすらとした吐き気と、映画の展開の中で起こる精神的な緊張感が非常にうまく連動して思わず「映像を体感」しているような錯覚を覚えました。

 

あと、シーンによってはすごく体に力が入ってしまい、思わず観ている自分まで力んでしまうシーンもいくつかありました。

例えば、トムを失ったスコがスミス大尉に拾われてトラック移動に便乗するところで

ぬかるみにはまったトラックを必死に押し上げるシーンがあるのですが、

そこでのスコの姿に観ているこっちも思わず体に力が入ってしょうがなかったです。

(一緒に力んでもなんのたしにもならないのにw)

 

なんだかこう・・・観終わってみたら

これって4Dだっだんじゃない!?って思うくらい。(牛乳の味さえしたような気がしました)

そういう意味での、圧倒的臨場感。

 

映像も全体的にすごく綺麗なのがまた残酷で、さすがサム・メンデス監督。

映画のお話としては大変な緊張とストレス環境下でありながら、映像には美しさがあるので、観てる側としてはついついその世界に自分ごと入り込んで観てしまい、気がつくと感覚的でカオスな状況に観客は主人公と一緒に置かれてしまう感じで。

ワンカット撮影が退屈にならないように、表現としても色んな手法が組み込まれていろいろと工夫されてました。

そういう表現の面白さをみつけながら観るのも、この映画ならではと思います。

・・・なんて余裕なことを言ってますが、初めて観るぶんには観客も生き残るのに精一杯だと思います。

 

<この映画を観て>

本当に、「生き残るのに精一杯」という言葉がこの映画にはぴったりだと思いました。

「戦争は不毛だ」ということは、戦争映画では何度も繰り返し描かれてきたテーマであり、ストーリーで、

何度描かれても戦争は仕組まれるし、なくならないのですが。

こういう映画を観て「戦争は不毛だ」という感想で終わるのではなく、

「どのように不毛なのか」を掘り下げてみることが大事なんじゃないかと思ったり。

 

私はこの映画を観て「戦争ってすごい無駄だな・・・」と思いました。

これだけの人間を投入して、一体何が得られたのだろうか?と。

いわゆる「上の人間」は人を「兵」というコマや大群という数値でしか見ておらず、

それだけのリソースを使ってやっていることがどれだけの意味のあることなのか。

コマや大群にしか数えられない一人ひとりの思いは、ただただ「家族のため」。

「国のため」という思いでさえも「家族の子孫の将来のため」に繋がるからこその「国のため」という思いからのものだというのに。

上映119分でもうんざりしたこの戦争に、この時代の人は映像ではなく現実の戦争に身を置いて何年も過ごしたのだと思うと、途方もなくうんざりしました。

 

映画を「観る」ということしかしていないのに、これほどまでに肉体的感覚を疑似体験できる映画というのも珍しいと思うので

ぜひともこれは映画館で観るといい映画だと思いました。


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